
上海の地下鉄で撮影しました。
特に深い意味は無いです。
実はさっきまで結構気合の入った記事を書いていたのですが、いざ載せようという段になって読み込みに失敗したらしく、全て白紙に戻りました(泣)。ちゃんちゃん。
A子が学校に向かって歩いていた。
ふと目の前に同じ学校の制服が見えた。
近づいていくと、それは同じクラスの生徒で、しかもいつもいじめられている女の子だ。
クラス全員が彼女をイジメていた。先生もイジメを知りながらも見て見ぬふりをしていた。
女子校なので、結構エグイことをする。
無視をする時もあれば、使用済みの生理用品を机の上に置いたりなんてこともあった。
A子も、特に彼女を憎らしいと思ったことはなかったが、
自分だけイジメをしないわけにもいかず、周りにあわせて、
無視やひどいことを言ったりしたりしていた。
だんだん近づいていくと、いじめられっこの彼女が
とっても嬉しそうな顔をしているのが見えた。
幸せそうな笑顔で飛び跳ねている。
A子は、その姿を不思議に思いながらも彼女のすぐ近くまで来た。
彼女はマンホールの上で跳ねていた。
とっても幸せそうな顔をして、なぜか「九、九、九…」と言っている。
「何してるの?」尋ねてみた。しかし、彼女は返事をせずに
「九、九、九…」といいながら跳ねている。
「無視してんじゃないよ」今度は口調を強めて言った。
しかし、彼女は返事をしないで、相変わらず同じことを続けている。
今まで、特別に彼女を憎らしく思っていなかったが、
嬉しそうに、しかも自分を無視したことで、何か急にとてつもなく強い感情が
湧き起こってきた。
しかし、それを抑え込んで、「なんで、そんなことしてんのよ?」もう一度尋ねた。
それでも、彼女は何も聞こえないみたいに嬉しそうに跳ねている。
ここにきて、A子の中で今までと違った感情が生まれた。
ひょっとしたら‘マンホールの上で数字を言いながら跳ねる’ということは
とっても楽しいことではないのか、そんなことを思った。
バカらしいとは考えつつも、微かにそんな思いが頭の中をよぎった。
複雑な思いに戸惑いを感じながらも、
とにかくマンホールの上で楽しそうに跳ねる彼女の邪魔をしたくなった。
いじめられっこの彼女がなんでこんな楽しそうにしているの、なにか納得できない、
そんな感情に身を任せ「ちょっと退きなさい。私がやるから」そう言って、
強引に彼女を押しのけ、マンホールの上に立った。
足をわずかに曲げ、すこし腰を低くしてから思いっきり上に跳びあがる。
その瞬間、となりに押しのけられた彼女がすばやく渾身の力でマンホールの蓋を取った。
A子は真っ直ぐマンホールの下に落ちていく。
彼女は蓋を閉めて、とっても幸せそうな顔で、再びその上でジャンプして、
今度は「十、十、十…」と言いはじめた。
(『マンホール』)